エピソード
通夜は故人が手塩にかけて盛り立てて
きた中華料理店で
故人は中華料理店のご主人、喪主様はそのご子息様でした。通夜・告別式は、通して斎場やお寺で行なわれるのが普通ですが、ご子息は「告別式はお寺でやるが、通夜は店でやりたい」と、強く希望されました。店に祭壇を設えることの難しさ、狭い階段を2階から1階の店へ御棺を降ろす大変さなど、様々な課題がありましたが、速やかにお寺のご住職に相談して、通夜を店でやることの了承を得、滞りなく喪主様のご希望に沿ったご葬儀を終わらせることができました。
それは真夏の大変暑い日で、全身汗まみれの祭壇準備になりましたが、葬儀が終わったときの、喪主様のお顔に安堵感と満足感があるのを見たときに、苦労は一瞬に消え去っていくのを感じました。(担当MY)
御棺の周りには美しいたくさんの花々だけ
無宗教の葬儀をご希望。そのような方も結構いらっしゃいますが、このご葬儀では祭壇は用意せず、御棺を式場の中央に置き、棺の周りに故人の好きだった沢山の美しい花が飾られました。そして、それを取り囲むように10個の椅子が並べられました。あとは式場の扉を閉めて、参加のご親族様がしめやかに故人の思い出を語られるご葬儀でした。
(担当TS)
真夜中のご帰宅
「近所に絶対知られたくない」マンションなどの住宅事情や何らかのご事情があってか、このようなご希望を聞くことがあります。このような時は病院からのご遺体帰宅は真夜中、打合せのときは葬儀社らしくない服装を心がけ、会社のロゴの入ってる車は遠くに止め、ご自宅から式場への移棺は早朝に行い、一旦小社に安置などの対処をいたします。
いろいろ苦労はありますが、無事にご葬儀を終え、喪主様に感謝されますと、ご事情はおありになるのだろうけれど、誠意を持ってご葬儀ができてよかったなあと、一安心いたします。(担当FK)
1歳の女の子のご葬儀に不覚の涙が
故人は満1歳のいたいけない女の子。もちろん喪主はそのお父様。告別式の「お別れ」の後の喪主挨拶では、参列者の全員が声を上げて泣かれました。どのような悲しいご葬儀でも、葬儀社の者が人様の前で涙を見せることはできません。
しかし、ご遺族のその悲しみに胸がふさがれ、恥ずかしいことに、司会の言葉が途切れ途切れになってしまいました。終わって、親族の方に「葬儀屋さんも泣くのね」と言われてしまいました。(担当NS)
ご葬儀の形は見栄や外聞でなく
故人は会社の代表取締役でした。通常なら大規模な葬儀が考えられます。また、少し前に故人のご子息様が亡くなられ、著名な式場で大規模な葬儀が執り行われました。ご子息様は故人の会社とは関係ない方でしたが社会的に著名な方でした。そんなこともあって、参列者の想定人数や費用なども含めて相談されましたので、同じ斎場の中規模の式場を提案いたしました。
ご葬儀の規模を決める大事なポイントの一つは参列者の人数です。結果的に品位を保ち大過なく終わり、費用も抑えられ、場所もよかったと、感謝されました。(担当HY)
通夜・告別式の二日間、車椅子に付き添って
故人は高齢のご主人。喪主様はその奥様。奥様のご要望は「葬儀は自分だけでしたい。だけど祭壇は立派に設えてほしい」というものでした。奥様のご要望に添った立派な祭壇を設定し、通夜・告別式の二日間、ご自宅からずっと奥様の車椅子に付き添ったご葬儀でした。忘れぬ思い出を残しています。(担当YA)